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志太泉 [入荷予定]

20101119

志太泉純米吟醸原酒愛山2009BY

志太泉酒造(静岡県藤枝市)


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 志太泉酒造さんのお酒に興味を持ったいくつかの切っ掛けの一つに、当店で既にお付き合いのあった杉井酒造さんと同じ藤枝市、あるいは古くは志太と呼ばれる地域に蔵があったことがあります。志太には、杉錦や志太泉をはじめ、磯自慢、喜久酔、初亀という全国的にも有名な名醸蔵が立ち並んでいます。
 志太地域のお酒造りに関しては志太泉さんのホームページサイトで触れられていますが、良質の軟水が豊富にあること、そして春夏の閑蔵期にお茶や漁業等の仕事が恵まれていた事も大きいかと思います。これは酒造業側にとっての夏場の仕事があるというだけでなく、農業や漁業を主体に生活する人々にとっては逆に冬場の仕事があるとも言い換えることも可能で、寒造りを行う酒蔵がある地方ではその存在が地場産業育成への大きな要素ともなっているという見方もできます。単に季節毎の収入源として補い合うという関係だけでなく、二つ以上の仕事を行き来することにより所得の変化に弾力性を持たせ安定的な収入あるいは経営を行い得るという意味も大きくあるはずです。地場産業が地域の特性を活かした産品であればあるほど、様々な自然条件やその他の外的な要件の変動からは大きな影響を受け、金銭的な収入を得るということに関して不安定に成りがちです。その様な不安定な要素からの影響を分散するという意味でも酒蔵の寒造りという仕組みは大きな意味を持つと言えます。これは季節労働としての醸造業一般へ、積極的な評価を与えうる契機になるはずです。
 志太地域の酒造りの発展は、やはり東海道という東西の交通の要が眼の前を貫いていたことをあげるべきでしょう。作ったものが売れる場所へと運ばれていく輸送手段に近いことは銘醸地であることのとても大切な条件で、これは江戸期の灘の下り酒とて然りです。この生産物の移動があったということははとても重要なことで、ある意味地産地消の形が昔からそれほど素朴な形では存在しえないことを暗示しています。昔の人も物資の移動を頻繁に、それもかなり遠距離で行っていたはずです。

 もう一つは偶然なのですが、私が利き酒に関する言葉をインターネットで調べていた所、志太泉さんが主催するブログに辿り着きました(その記事)。そこでお酒の味わいの表現にノイズという言葉を使っていらっしゃったのですが、そこから私は「シグナルとノイズ」という言葉でもってお酒を捉えることを思いつくことになりました(その記事)。おそらくこっちの方がこの蔵に魅かれた一番の理由かな。
 
 そして実際にお酒を取り寄せてみて、その仕込み水が持つ柔らかな特製を活かした酒質に心を打たれ、前回の冬の仕込み時期にお邪魔し、この夏から取り扱うような次第となりました。
 特に、米違いシリーズと銘打った、愛山と八反のお米を使ったお酒は、是非とも当店のラインナップに加えたいお酒たちでした。そして先日入荷してきたのが、愛山で仕込んだ純米吟醸原酒です。

 愛山というお米は山田錦と雄町米を掛け合わした親米を系譜に持ちますが、雄町米が持つ軟質米の影響を受けていてとても溶け易く、きれいなお酒を造りには醸造管理がとても難しいお酒です。志太泉さんでも毎年一番悩むお酒なようで、出来上がる酒質は年毎にかなり変化に富みます。
 実際飲んでみると、やはり水の軟らかさが際立って感じられます。微かに甘味を飲んだ後に立ち上がる酸も軟らかく、イチゴやライチ等の爽やかな果実の味わいがじわりと広がります。原酒ですが、アルコール感も控えめで、細く長い上品な甘味の余韻が続きます。微かな葡萄を思わせる苦みもあり、黒葡萄を使ったシャンパーニュの後味に近いものがあるやもしれません。

 商品の案内はこちらからになります。




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